妊娠中の電車通勤ってなにが大変?(妊娠初期~)
前回の記事でお伝えした通り、私はいわゆる”コロナ禍”で妊娠が判明。妊娠が分かった当時(から現在も)正社員としてフルタイム勤務しており、約1時間かけて電車通勤をしていました。
今回は、妊娠中のコロナウイルス感染予防と体調悪化のため会社からテレワークへの移行を勝ち取った(笑)経緯を、利用した制度とあわせてご紹介したいと思います。
まず、私が電車通勤でいつも不安だったのは”脳貧血”になることでした。
・・・目の前が真っ暗になり倒れたりすること事がよくあります。これは脳貧血のためです。妊婦さん は脳貧血を起こしやすくなっています。絨毛から分泌されるホルモンにより筋肉が柔らかくなるためです。
妊娠中に気分が悪くなった時-つわり・脳貧血・仰臥位低血圧|医療法人英会 産科・婦人科 うしじまクリニック
あまり聞き慣れない言葉ですよね。脳貧血は通常の貧血と異なり、鉄分不足でなくても起こるものだそうです。私の場合は妊娠12週を過ぎたころから、ほとんどは電車で立っている時に脳貧血になっていました。
症状が現れるときはいつも同じような流れです。
- うまく息ができない
- 頭から血が下りていくような感覚がある
- 動悸が激しく、過呼吸気味になる
- 視界がチカチカし始める
- 立っていられなくなる
都内の朝の通勤電車では妊婦マークを付けていても座れないことが当たり前。辛いときに席を譲ってもらった時には思わずこっそり泣いてしまったこともあります。いい大人が、、と自分でも恥ずかしく思うのですが、妊娠中は精神的にも不安定になることが多く、人の優しさが普段以上に身に沁みたりするんですよね。
少し脱線してしまいましたが、幸いなことに、私は脳貧血の症状が出てもそのまま失神してしまったことはありません。かかりつけ医に相談したところ「解決方法はとにかく座ること」と言われていたため、立っていられなくなると思ったらすぐに電車を降りたり、車内であってもその場で座り込んだりしていました。そのまましばらくじっとしていればほとんどの場合は改善します。
座れば解決することとはいえ、電車というすぐには出られない密閉空間でいつ呼吸が苦しくなるだろう、という不安にはいつも悩まされていました。
週4日出勤から完全リモートに移行するまで~コロナ禍だからこその制度を活用!~
妊娠初期の当時、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置はどちらも発令されていませんでしたが、全国の感染者数は1日あたり約20万人。最も感染が拡大していた東京都内で生活していた私はかなり感染リスクが高い状況にいることを感じていました。
会社ではコロナ対策として週1日のテレワークが続いていましたが、電車通勤に体調面でも不安を感じていた私はフルリモート勤務へ移行させてもらえないか相談することを決めました。
結果から言うと、上司への1度目の相談はばっさりと却下されました。
妊娠している状態でコロナに感染することが不安であること、電車通勤をせずに済めば精神的にも体調的にもかなり楽になるということを伝えましたが、返ってきた答えは「緊急事態宣言が出ている訳ではなく、前例もないし、医師の診断も無いならあなただけ特別扱いはできない」でした。
正直、泣きました。。妊娠していても他の社員が通勤しているならそうするのが当たり前なのか、私がお願いしたのは「特別扱い」してもらうことだったのだろうか、、悲しいやら悔しいやらで、心が折れそうになりました。
夫にその結果を伝えたところ(めちゃくちゃ愚痴りました笑)、「こんなのがあるみたいだよ」と教えてくれたのが厚生労働省の働く妊婦さんのための制度でした。
この制度の趣旨をざっくり言うと、「働く妊婦さんが主治医や助産師から受けた指導を会社に申し出た場合、会社は必要な措置(休業、在宅勤務等)を講じなければなりませんよ」というものです。期間は延長される場合もあるようなのでHPを確認してみてくださいね。
私のかかりつけの病院ではこの制度を利用する方が多かったのか、事情を話すとすぐに会社へ提出する「母性健康管理指導事項連絡カード」を記入してもらえました。
連絡カードと念のためリーフレットも用意して、いざ2度目の相談です。
その場で上司から返ってきた答えは、「前回も言った通り、宣言が出ている訳じゃないんだから(あなただけテレワークにはできない)」でした。書類には脳貧血などの体調面での指導も記載してもらっていたのに、、よく見もせずに頭から否定されてしまったんですね。
めげずにとにかく書類を受け取ってもらい、その日の午後のこと。
上司(同じ人物ですよ!)から呼ばれて恐る恐る話を聞くと、「今は大事な体なんだから、あなたの体調が第一。今日からでもテレワークに切り替えて構わないよ」とのこと。
どうやらとりあえず書類を上に回したところ、そういう対応を取るよう指導されたというところでしょうか。鮮やかな手のひら返しに言葉もありませんでしたが、兎にも角にもテレワークへの移行許可を手に入れることができました。
ちなみに私の職場は「女性の採用3割」を目標に掲げるほど男性比率が高く、私が所属する課には女性社員は私1人だけ。コロナ禍に入ってかなり時間が経っていたにもかかわらずテレワーク移行の前例が無かった理由はそうしたところにもあったのだと思います。
コロナウイルスの感染拡大という特殊な状況下で、電車通勤や出勤してやらなければいけない仕事に負担や不安を感じている妊婦さんは多くいらっしゃると思います。
出勤したくない、と伝えることは後ろめたかったり申し訳ないと思ったりするかもしれませんが、自分の体調と向き合って必要なことだと感じたら、迷う必要は一切無いと私は思います。
我慢して無理をして自分やお腹の子になにかあったら、きっと後悔して自分を責めてしまうのではないでしょうか。
多少図々しいと思われたって、たくましく使えるものは使って心も体も元気に過ごしましょう!
働く妊婦さんが少しでもストレス無く出産を迎えられますよう、この記事がお役に立てるとうれしいです。
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